北海道臨床開発機構 代表挨拶

オール北海道で取り組む橋渡し研究支援拠点形成事業

第一期の総括と第二期への展望

 平成25年3月に東京で開かれた「文部科学省 橋渡し研究加速ネットワークプログラム平成24年度成果報告会」において、第1期プログラムの目標である「5年間の終了時までに、少なくとも2件の研究シーズを薬事法に基づく治験届の受理が、全国7拠点で達成された」と公式に発表がありました。この中で「オール北海道先進医学・医療拠点形成」プロジェクトは当初から設定されていた2件の医師主導治験開始という高い目標を達成し、また人材の育成やネットワークの構築などの基盤整備を着実に進め、特長のある「北のTR拠点」 として高い評価を受けることができました。この事業の成功により、アカデミア発の基礎研究の成果を世界のルールに従って実用化につないでいく体制が、北海道に初めて整備されました。またこれまで道内でばらばらに行われていた臨床応用を目指す基礎研究が、HTRの下でひとつのパイプラインとして整備されました。オール北海道で取り組むこの事業の成功の最大の意義は、国策としてのTR支援事業をこの北海道が一丸となり総力を挙げて担っていくための人的および知的基盤が構築されたことに加えて、それを推進する意識(覚悟)と確かな自信が形成されたということにあります。我々関係者一同はこれらの意義と責任を深く認識し、将来へ向かってこの拠点を発展させてまいります。

 第一期の事業の成功を受けて、平成24年4月から第二期プログラムに当たる「文部科学省 橋渡し研究加速ネットワークプログラム」が始まり、我がHTRはこのプログラムにおいて今後5年間の事業の継続が認められました。今後のHTRには北海道に留まらず、その特長を生かして他の拠点をもリードする活動が期待されています。HTR事業における課題としては、マネジメントの強化、国際競争力の強化、投資効率を考えた自立化への前進の三つのポイントが挙げられます。HTRではリソースを効率よく管理して開発を推進する体制、後続シーズパイプラインを評価・維持する体制、研究・開発・企業への引き渡しを一貫して行える体制等を更に強化することによりTRマネジメントのさらなる強化を図りたいと考えます。またアカデミアが戦略的に獲得した知財権を有効利用する体制や、国際的申請がすぐに可能なデータ収集を行える体制を強化することにより国際競争力の強化に取り組んでいきたいと思います。

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